大王製紙前会長の井川意高氏が100億円を溶かしたことで、急速に脚光を浴びたギャンブル、バカラ。
カジノでは定番のギャンブルであり、初心者から熟練者まで、幅広いプレイヤーに愛されるテーブルゲームでもあります。
単純なゲームフローながらもさまざまな攻略法が編み出されており、中にはそうしたメソッドの有料販売を行う方も居るようです。
でもそれって本当に、”使えるワザ“なのでしょうか?
それでは今回は、『バカラ罫線の信憑性』『攻略法の可否』『バカラ必勝のコツ』などについて解説。
テーブルゲームの花形であるバカラを、より有利に楽しむための記事となっています。
バカラ罫線は無意味でないが『使えない』

さていきなり矛盾する見出しですが、しかしこれが唯一の回答となることは真理です。
まず前提として理解しておくべきことは、バカラ罫線による次ゲームのカード予測とは、
➡ 過去の結果が未来に対して影響することを信じる
という、オカルトじみた予測であるという事実です。
バカラ罫線支持派の理論としては、「デッキ内の偏りを視覚化し、次の傾向を読み取る」とされています。
しかしオンラインカジノで用いられるバカラのデッキ数は、およそ6~8デッキ。
52×6=312枚以上、なおかつ50%ほどでシャッフルされるカードの偏りなど、果たして予測可能でしょうか?
また別の側面として、「プレイヤーとバンカーの勝敗の波を視覚化し、次の傾向を読み取る」というものもあります。

でもそれって、
「あのパチンコ台は10倍ハマリしているから、そろそろ大当たりする」と言っているのと変わりありません。
パチンコ店の大ハマリ台をすべて大当たりまでブン回したら、収支がどうなるかは予想に難くないのでは?
バカラ罫線で次ゲームを予想するというのは、それと同じ理論なのです。

日本語メディアではバカラ罫線について熱心に解説しているけれど、英語圏でこの技術を説いているメディアは見当たらない。

スコアボードの見方は紹介しているけど、「それで勝て!」って力説している人は皆無だよな。
どれだけバンカー(orプレイヤー)の連勝が続こうが、次の勝率は50%のままです。
よって大路だろうが大眼仔だろうが、どれだけ参照しても次ゲームの勝敗は単なる運任せと同じこと。
罫線の見方を覚えるくらいなら、ベーシックストラテジーでも暗記していた方がなんぼかマシです。
ただし見出しでも説いているように、罫線は「完全な無意味」ではありません。
大数の法則に照らすと分散した確率は最終的に均衡値へと収束するため、長いスパンで見れば罫線にて次ゲームの予測を可能にすることもあるでしょう。
しかし確率の収束には膨大な試行回数を要し、またその時期も明らかではありません。
これが『神の領域』と言われるゆえんですね。
従ってライブゲームの下隅に表示される数十ゲームの結果などは、使い物にならないサンプル数と言えるでしょう。
最低でも数百から数千プレイの記録を参照させてくれるなら話は別ですが、それほど膨大な記録を残すテーブルゲームなど存在しません。
以上のことから、バカラで用いられる罫線はほぼ無意味であることが示されるでしょう。
なぜカジノが罫線を提供するのか?

別のアプローチで考察してみましょう。
ライブゲームのスコアボードには自動でこれまでの勝敗が表記され、リアルのカジノよりも大幅に容易にバカラ罫線を利用することが可能になっています。
でも、なぜ?
もし本当にバカラ罫線が使い物になる攻略法であれば、わざわざオンラインカジノがこれを提供する理由は無いと思いませんか?
自ら得られる利益を下げてまで、どうして我々に罫線を提供してくれるのでしょう?
気前が良い?ユーザーの頭が悪いと思っている?それとも単に、抜けているだけ?
A. 罫線が収益に影響することはないから。
答えは簡単。「バカラ罫線を使われたところで、カジノの取り分は変わらない」からです。
我々が一生懸命スコアボードを眺めて出した答えも、カンに任せた適当ベットも同じこと。
カジノはこれを理解しているからこそ、あえて余興として罫線を提供しているに過ぎないのです。

カジノにとっての罫線は、バカラを『より複雑で読み筋の効くストラテジーゲーム』と錯覚させるためのもの。

確かにアレコレ読みを働かせること自体を楽しんでいる人も居るよね。
前段で全否定したバカラ罫線の有用性ですが、あくまでそれ自体をゲームとして楽しむことは全然アリです。
むしろこの側面を同時に味わえる人ほど、より深くバカラの奥深さに触れられる人だと思います。
バカラはコイントスと同じ

バカラは「シンプルなゲームデザインである」と言われますが、突き詰めるとその本質は、”コインの裏表を当てるゲーム”ということに気付くでしょう。
カードごとの配点や、ナチュラルの存在など色々と気になる部分は多いです。
しかし結局のところ、これはプレイヤーとバンカーを当てる単なる二択という以外に、技術/知識の介入する要素はありません。
手順が違うだけで、いわゆるハイ&ローと何も変わりません。
ベット箇所に選択肢の多いルーレットや、カードの取捨選択が自由なポーカー・ブラックジャックと比べると、バカラがいかに簡素な選択肢しか持ち合わせていないことがお分かりでしょう。
つまり罫線は、この『シンプルで味気無さすぎるゲーム性』に色を付けるために存在している部分が大きく、決して攻略のために編み出された技術でないのが本質なのです。
バカラ必勝法は存在するのか?

バカラにはネット上で色々な攻略法が販売されており、そのほとんどが『罫線のデータから最適なベットタイミングと選択肢を提供する』といったものになります。
ツールがアラートを鳴らして、そこでプレイすれば高勝率とかいうモノですね。
まずハッキリと言い切りますが、こうしたツールを購入するのは情報弱者と言わざるを得ないということ。
現在購入を迷っている方が居るなら、絶対に手を出さないことを推奨します。

毎度思うのは、この手のツールって本当に使えるなら独占していた方が旨味がデカいよな。
広まるほどに対策のリスクがあるワケだし。

経歴をメチャクチャ盛って信用させるタイプの販売方法が多いわね。
それがどんな人物の作成したツールであろうと、「自分で使えば?」という疑念を払拭するには至らない。
用いられるのがどういうロジックにしろ、伏せられたカードの中身を予測する術はありません。
前述したように6~8デッキのテーブルゲームでは、次の手札を高精度で予測することなどほぼ不可能だからです。
その上外部ツールの使用は、場合によってはカジノの規約に違反します。
使用を咎められた場合、勝利金の没収どころかアカウント停止まで見込まれるでしょう。
このようにバカラに必勝法は存在しないものの、しかしそれとは逆の必敗法は存在します。
以下ではこの敗北へのロジックを学ぶことで、反面教師として同じ轍を踏まないように役立てていきましょう。
攻略法で勝っている人が居ると聞いたが?

有料、ないしは無料でも、オカルティックな攻略法で稼いでいると自称する人は、おおよそ下記に分類されます。
- ツールを売るための自作自演
- 欠陥の攻略法を本気で信じている
- 本物の攻略法を使用している
この内、3.のパターンはほぼ除外できます。
理由は前段で話したとおり、まず市場に出回るようなシロモノではないからです。
そして1.のパターンは全体の大半を占めており、利益目的の喧伝なので、むしろ単純で分かりやすい部類に入ります。
この中でもっとも恐ろしいのは、2.の『欠陥攻略法を本気で信じているパターン』でしょう。
彼らはあくまで親切心で偽りの聖杯を勧めているため、悪意がないぶん、逆に悪質です。
“無自覚の悪“は仏教の経典にも載っている、もっとも恐るべき人間の心です!
バカラの最大勝率は50%のため、偏ればパッと大きく勝つこともあります。
そうした成功体験を「攻略法のおかげ」と信じ込んでしまうと、そこから盲信が始まってしまうのですね。
実際には適当にやっても勝てていた勝負を、偽りのロジックで制したものと勘違いしているのです。

欠陥ツールのあざとい部分は、バカラがもともと高勝率という点ね。
ちょっと下ブレしても、「使用中の誤差範疇です」って言えるもの。

欠陥ツールの制作者は、ツールを信じているユーザーを小バカにしてるよな。
作った自分には、適当ベットと変わらないって分かってるんだもん。
バカラを勝ちやすくする方法
さて必勝のすべがないバカラですが、必敗へのメソッドはいくつか存在しています。
まずはこれらを記憶にとどめておき、実戦で用いないことを留意しましょう。
タイに賭けると14倍のハウスエッジ

まずは以下の比較表をご覧ください。
ベット先 | 勝率 | 配当倍率 | 控除率(ハウスエッジ) | 還元率(RTP) |
---|---|---|---|---|
バンカー | 45.86% | 1.95倍 | 1.06% | 98.94% |
プレイヤー | 44.62% | 2倍 | 1.24% | 98.76% |
タイ | 9.52% | 8倍 | 14.36% | 85.64% |
ご覧のように『バンカー>プレイヤー>タイ』の順に還元率と勝率が高く、逆に配当はタイがもっとも高額となっています。
ほぼ無視できる誤差のバンカー&プレイヤーと比べて、タイのRTPが異様に低いことがお分かりでしょう。
よってよほどの読み筋が無い限りは、タイにベットすることは避けるべきでしょう。

理論的にはバンカーにベットするのがイチバン勝てるのか。

正確には、「理論的に言うとカジノが必勝である」が正しいかな。
払い出しは細かく調整されているから、長いスパンで見るとユーザーが敗北するようにデザインされているの。
還元率(RTP)についての解説は以下で。
フラットベットは破滅へのデスロード

常時定額のベットを行うと、必ず敗北することをご存知でしょうか?
ラスベガスで15年間ディーラーとして勤務していた片桐 ロッキー 寛士氏いわく、
常に同じ金額でベットする人は、ほぼ100%敗北していた
と語っています。
これは前段のハウスエッジと大きく関わりがあります。
そもそも胴元有利の賭場で勝つということは、一時の偏りをかすめ取り、素早く勝ち逃げすることに尽きます。
よって自らの意志で収支に波を起こすことは必須で、それにはベット金額の変動のみが有効となるのです。

バカラは波の荒さで言うと、カジノではブラックジャックに次ぐ、低ボラティリティの穏やかなゲーム性。

穏やかな波で100%を切るRTPだと、ジワジワ真綿で首を絞められるカンジになるね。
ドカンと跳ねさせるには、ベット金額を変動させるしかない。
バカラでは『ベッティングシステム』と呼ばれる、ストラテジーを組んだベット方法が使用できます。
いずれも数ゲームにまたがるシステムの一連の流れで負債を取り戻し、利益を少しずつ上積みする手法で、うまく運用できればかなり心強い味方となります。
ベット金額の変更は、ユーザーが唯一ゲームへ介入できる要素です。
これを放棄することは、現金ガチャを回しているのと変わらないですよね。
以下では勝率50%向けにセッティングされたベット戦略を紹介するので、バカラ攻略に役立ててみてください。
長時間プレイはいずれ敗北する

こちらも同じく片桐 ロッキー 寛士氏の警句で、
ダラダラと長時間プレイすると、必ず負ける
というものがあります。
これもハウスエッジの観点から見れば、納得の理屈でしょう。
バカラ最小のハウスエッジはバンカーベットの1.06%ですが、塵も積もれば山となる。
長時間プレイすればするほど、確率は徐々に収束することは罫線のくだりで解説しましたね。
リターンが100%を切る戦いでは、いかに短期で利益をかっさらえるかがキモとなります。
さもなくば徐々に控除率の影は背に忍び寄り、あなたのチップを僅かずつ奪い取ってしまうでしょう。
バカラの攻略法まとめ
- 数十ゲーム程度のバカラ罫線は実戦ではまったく使えない
- バカラはコイントスと同義であると認識する
- 市販の攻略法はニセモノしか存在しない
- フラットベットを避ける
- ベッティングシステムを使用する
- 長時間はプレイしない
いかがでしょう?
バカラ攻略の最大にして唯一のキモは、ベッティングシステムを用いることにほかなりません。
手札によって現況が変動しやすいブラックジャックと異なり、バカラとルーレットではこのベット戦略がことさら有効となります。
罫線の読み方を勉強するぐらいなら、ひとつでも多くベット方法を暗記することを推奨!