ベッティングシステム(ベッティングストラテジー)のひとつ、マーチンゲール法。
主にカジノ遊戯で用いられるこの手法について解説するページになっています。

私でも名前を聞いたことある、有名なヤツだな。
倍々にしていくんだっけ?

その通り。
ただし実戦では使い物にならない、欠陥システムであることも前もって伝えておくわ。
はじめに結論から言うと、マーチンゲール法が役に立つ場面は皆無です。
カジノディーラーがこの手法を使われると、生暖かい目になるそうな。
よってこの記事は、単に知識として流し読みすることを推奨します。
マーチンゲール法のストラテジー
- 勝利時はシステムをリセットする
- 敗北時は前回の掛け金を倍にする
これは非常に単純明快なシステムで、上記の文言だけで察しの良い方は理解可能でしょう。

単純に上記を繰り返すのみのロジックとなります。
マーチンゲール法が向いているゲーム
ベットを倍々に上げていく特性上、勝敗がおおむね1/2のゲームが好ましいです。
ルーレットの赤黒などがこれにあたります。
0・00の存在があるため、厳密には勝率50%を切ります。
バカラもシューターの残カードで偏りが出るため、これも勝率1/2になりません。
またブラックジャックでは親・子の手札で状況が変動するため、この手法はかなり不向きと言えるでしょう。
マーチンゲール法のメリット

かけ算が出来ればオッケーなのは手軽だね。

とはいえ、とりたててメリットはこれぐらいしかないの。
マーチンゲール法のデメリット
以下は、$1からスタートした時の、連敗時必要ベット金額です。
1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | 10回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
$1 | $2 | $4 | $8 | $16 | $32 | $64 | $128 | $256 | $512 |
11回 | 12回 | 13回 | 14回 | 15回 |
---|---|---|---|---|
$1,024 | $2,048 | $4,096 | $8,192 | $16,384 |
15連敗時、なんと一万ドルを超えるベット金額が必要になってしまうのです。
お手軽な1ドルから始めたつもりなのに。まさにどうしてこうなった状態。

50%を15連続でハズす?あはは、そんなの天文学的数値でしょ。

そうかしら?
では、以下をごらんなさい。
試行回数 | 連続確率(%) | 連続確率(1/○) |
---|---|---|
1 | 50 | 1/2 |
2 | 25 | 1/4 |
3 | 12.5 | 1/8 |
4 | 6.25 | 1/16 |
5 | 3.125 | 1/32 |
6 | 1.5625 | 1/64 |
7 | 0.78125 | 1/128 |
8 | 0.390625 | 1/256 |
9 | 0.1953125 | 1/512 |
10 | 0.09765625 | 1/1024 |
上記は50%が連続する確率を表したもの。(厳密には勝率50%を切るので、更に確率は底上げされます)
マーチンゲールシステムの1024回に1回は、10連敗が起こり得る確率であることを示していますね。
仮にスタート金額が$5や$10であったら、更にベット額は加速します。
しかも敗北の逆を豪運10連続で引き続けても、たったの10ドルしか勝ち分は積みあがりません。
システム起動時に最低額しか張れない特性上、連勝してもリターンの旨味が少なすぎる問題もあるのです。

いやいや、1024回もルーレットやらないから大丈夫だって。

確率っていうのはそんな気安く測れるものじゃないわ。
1回目で起こるかもしれないし、2回目も起こるかもしれない。
膨大な勝負の行く末を見てきたカジノディーラーの方に実際に聞くと、
「10連敗なんてザラにある。見飽きるほどにね」
とのことです。
そういう場面に直面すると人は、イカサマを騒ぎ、神を呪い、そして絶望するのだとか。

確かに裏目の連続で、頭がフットーしそうだよぉっ、はあるある。

マーチンゲール法は一度の勝利で全額の負債をひっくり返せるぶん、リスクの上昇速度がケタ違いなの。

また実際には、テーブルリミットで多額のベットは禁じられるわ。
つまりある一定数連敗してしまうと、その時点でシステムは破綻してしまうのよ。
まとめ:マーチンゲール法は勝てない

これでも使う?マーチンゲール。

ほかのシステムも教えてよぉ……!
逆マーチンゲール法という、当システムをひっくり返したベッティングシステムも存在します。