主に株式/FXの投資(投機)界隈で一時期話題となった、ウィナーズ投資法。
中にはカジノゲームでこれを用いている方も居るらしく、ベッティングシステムとしてもそこそこ有名です。
本記事ではその使用方法から特徴、メリット・デメリットを解説していこうと思います。

メッチャ勝てそうな名前じゃん。

『ウィナーズ・メソッド』なんて、いかにも勝ち組っぽい響きよね。
しかし前もって結論を申し上げると、実際にはカジノ向けでなく、あくまで相場師が株式/FXの投資に用いるのが最善であるという結論に至りました。
とはいえ、カジノゲームで『使うに値しない手法』とは言い難く、個人個人の味付け次第では充分実戦向きとなる可能性も秘めています。
よって参考程度とはいえ、知識としてこれらを蓄えておくのは有用であると思われます。
ウィナーズ法のストラテジー
- ベース金額で二連敗したところからシステム起動
- 左端数列×2倍がベット金額
- 敗北時は前回ベット金額を右端に書く
- 勝利時は左端数列を消し込む
- 数列がすべて消えたらシステムリセット


勝っても負けても数字はひとつずつ増減するのかー。
モンテカルロ法よりは簡単に覚えられるね。

記憶力に自信があれば、メモ無しでもイケるレベルね。
ウィナーズ法が向いているゲーム
勝率がおおむね50%の勝負で用います。
それよりも低い勝率で扱った場合、かなりリスキーな運用方法となるでしょう。

最後は連勝でリセットとなる性質上、低勝率で用いると地獄を見るわね。
ウィナーズ法のメリット
ウィナーズ法ではベット金額に関わるのは左端の数列のみであり、つまり敗北し続けようとも賭け金の上昇はありません。
もちろん全損失を取り返すのに、それなりのラウンド数はかかりますけども。
6連敗から6連勝した場合のシミュレートを出してみましょう。
ラウンド | 数列 | ベット額($3ベース) | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|
1 | – | $3 | 負 | -$3 |
2 | 3, | $3 | 負 | -$6 |
3 | 3,3 | $6(システムスタート) | 負 | -$12 |
4 | 3,3,6 | $6 | 負 | -$18 |
5 | 3,3,6,6 | $6 | 負 | -$24 |
6 | 3,3,6,6,6 | $6 | 負 | -$30 |
7 | 3,3,6,6,6,6 | $6 | 勝 | -$24 |
8 | 3,6,6,6,6 | $6 | 勝 | -$18 |
9 | 6,6,6,6 | $12 | 勝 | -$6 |
10 | 6,6,6 | $12 | 勝 | +$6 |
11 | 6,6, | $12 | 勝 | +$18 |
12 | 6, | $12 | 勝 | +$24 |
13 | – | システムリセット | – | +$24 |
上記ケースはもっともウィナーズ法の強みが出る場面です。
勝率で言えば5割にも関わらず、大きなプラスを持ってシステムを終了させられています。
つまり連敗するほどに威力を上げていくのが、ウィナーズ法の特徴なのです。

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ウィナーズ法のデメリット
ウィナーズ法はシステムリセットまでにかかるラウンド数が膨大となりやすく、必然的にベット額が上昇しがちで、リスクは徐々に増していきます。
かなりの長丁場を強いられることが大半で、人によってはやきもきさせられるでしょう。
ここでは参考として、$3ベースの10ラウンドシミュレートを行ってみます。
ラウンド | 数列 | ベット額($3ベース) | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|
1 | – | $3 | 負 | -$3 |
2 | – | $3 | 負 | -$6 |
3 | 3,3 | $6(システムスタート) | 負 | -$9 |
4 | 3,3,6 | $6 | 勝 | +$3 |
5 | 3,6 | $6 | 負 | -$3 |
6 | 3,6,6 | $6 | 負 | -$9 |
7 | 3,6,6,6 | $6 | 勝 | +$3 |
8 | 6,6,6 | $12 | 負 | -$9 |
9 | 6,6,6,12 | $12 | 勝 | +$13 |
10 | 6,6,12 | $12 | 勝 | +$37 |

ん、10ラウンドまで行ってもなかなか数列が全部消えないね。
今のところ損益はプラスだからいいけど……

ウィナーズ法の弱点はこれよ。
数列を足すのも消すのも一つずつであるがゆえ、最後は必ず連勝しないとリセットが訪れないの。

1/3のモンテカルロ法だと、数列の減りはもっと速かったよねぇ。
もちろんマイルールで、「プラス○○$まで行ったらリセット」「ラウンド数が○○でリセット」と付け加えることで上記のような長丁場は防げます。
しかし、『利益確定の勇気』『損切りの恐怖』といったプレイヤーの感情を取り払い、ゲームの進退を明確にルール化するものこそがベッティングシステムの本質です。
つまり出来ることならシステムのリセットは機械的であるべきで、そういう意味ではウィナーズ法は、あまりカジノ向けでない手法と言えます。

テクニカル分析で読みの効く株式/為替相場の場合、勝率は常に変動しているの。
だから連勝で締めることも、状況によっては難しくないわ。

一方でカジノゲームの勝率は、高くても常に50%だもんな。
確かにそれだと、連勝が遠い場面は多いかも。
まとめ:ウィナーズ法は株式/FX向け

やっぱりカジノ向けの運用はちょっと厳しいのね。
マーチンゲール法よりは良さそうだけど。

感覚で適当に賭けるよりはよほどいいけど、モンテカルロ法などの、もっと優れたメソッドもあるのよね。