日本のギャンブルお家芸といえば、技術介入要素のあるパチスロが代表に挙がります。
高い機械割、演出の法則性、ゲーム数による期待値の変動。
さまざまな要素が奇跡的な融合を果たし、一大エンターテインメントとして確立されたパチスロ。
レバーオンから見守るだけの、カジノスロットには無い魅力を持っていたのです。
しかし2020年現在、日本のパチスロは苦境に立ちました。
そこで今回は、あらためて日本のパチスロと海外カジノスロを比べ、優劣の差をハッキリさせてみましょう。

筆者は筋金入りのスロカス&カジノカスだから、両面から物事を見られていると思うぜ。

ホント、どうしようもないくらいにハマっていたわね。
ペイアウト対決

ミリオンゴッド-神々の凱旋- ➡119.7%

Mega Joker ➡ 99.0%
MAXのペイアウト対決ではパチスロが圧勝!
カジノスロでは機械割100%を超える機種は存在せず、打てば打つほどに胴元が儲かるシステムとなっています。
対するパチスロでは機械割が100%を超える台を掴めさえすれば、ブン回すほどに期待枚数は上昇していくのです。
「パチンコ屋の還元率は80~85%」と紹介する方が多いですが、これはざっくりしすぎです。
店舗によってケースバイケースな上に、パチスロ機限定で考えれば、ペイアウトが95%を切る機種はそうそうありません。

『胴元が結局は勝つ』というシナリオは同じだけれども、局所的にユーザーが優位性を勝ち取れるのはパチスロの魅力ね。

カジノスロはタラタラ未練打ちすると、延々と溶かされていくよな。
それもどの機種も等しく。
しかし、そもそも高設定台に座れるのか?
昔のパチンコ屋ならまだしも、昨今の状況下で高設定、ましてや設定6を無造作に設置しておく店舗などありません。
また仮にアツいイベントで間違い無く高設定が投入されるにしても、くぐり抜けるべき関門はいくつも存在します。
こうした数々の試練を乗り切り、ようやく収支はプラスへ傾くことになります。

田舎の方じゃ、高設定に期待の持てる日なんて年イチぐらいだしな……。
かといって東京も等価交換がほぼ消えたりで、期待収支は減少傾向だし。

ぶっちゃけると、たとえ設定に期待できたとしても、日が昇る前からの並びや、数千分の一を引く抽選という運ゲーが絡む時点でかなり効率は低いわよね。

しかもそれだけやったとして、日当たりの最高収支額は良くても15,000枚ぐらいでしょう。
なんかもう、よほどパチスロを愛していないとこんな苦行に付き合いきれはしないと思うの。
設定1でもペイアウト100%を超える機種

パチスロの中には設定1でも、技術介入によってペイアウトが100%を超える機種が存在します。
いわゆる『Aタイプ』または『ノーマル機』と呼ばれるこれらは、機種選択に悩むスロッターたちの駆け込み寺として大きく寄与しているのです。
ですがこうした機種は、低設定域が甘すぎるがゆえに、とある十字架を背負って生まれてきています。

設定1でもプラス期待値の機種は、設定いくつで開放されると思う?

もちろんベタピン。

そういうこと。
そして設定1のノーマル機を完全技術介入しても、期待枚数は雀の涙。
単に『負けないで遊ぶ』には最適ですが、『勝つために』こうした機種へ挑むのは、やや無謀かもしれません。
ノーマル機に設定を使ってくれる店舗が、どれだけありがたい存在か身に沁みますね!
代表的機種で対決させてみた

どのホールでも見かける、『アイムジャグラーEX‐AE』は低設定が辛いことで有名です。
設定1だと客が飛びすぎるために、設定2で置くことが多いと言われています。

Play’n Goの人気機種、『Book of Dead』
ペイアウトは並みでオーソドックスなシステムの割に、どこのカジノでもトップ機種にランクインする人気者です。
そういう一面からも、アイムジャグラーと似たものを感じますね。
機種 | 設定 | ペイアウト |
---|---|---|
アイムジャグラーEX‐AE | 2 | 96.7% |
Book of Dead | High | 96.21% |
さて平均的にホール&オンカジで見かける設定を比べたところ、アイムジャグラーが僅差で勝利する結果となりました。
ですがちょっと、考えてみてください。
仮に設定札システムが今の時代に許されていたとして、いったい誰が『設定2確定台!確認も可能!』というアイムジャグラーをブン回すでしょうか?
対するBook of Deadは誰もがペイアウトを確認可能な状態で、それでもなお日夜、ジャックポットを狙うギャンブラーたちによってブン回されています。

だって期待値がマイナスでも、カジノスロットにはBIG WINという最強の武器があるんだもん。

そういうこと。
1ゲームの払い出しが15枚までしかないパチスロでは、ペイアウトという魅力も大した武器にはならないのよね。
払い出し倍率対決

それでは次に、さきほど触れた『BIG WIN』についての話題を。
パチスロとカジノスロで、1回転、または1ボーナスゲームごとの払い出し倍率を比べてみましょう。
パチスロ | カジノスロ | |
---|---|---|
1ゲーム最大払い出し | 15枚まで | 3,000倍以上 |
1ボーナス最大払い出し | 480枚まで | 110,000倍以上 |
※カジノスロットは自身で確認済みの数値までを記載しています。

たまげたなぁ……。
青天井のカジノスロに比べて、パチスロの小ささが映える……。

なんなら消化時間を度外視して、ロングATで勝負させてもカジノスロの圧勝でしょうね。
いいところ3万枚じゃ、到底ジャックポットの足元にも及ばない。
最高勝ち額はどちらが優秀か?
パチスロの歴代最高獲得枚数は、4号機時代に神奈川県にて、『アラジンA』を打った方が5万枚出したのがトップではないかと言われています。
初代ミリオンゴッドで6万枚出たとも聞きますが、真偽は不明!
一方のカジノスロットでは、5万枚×等価交換程度の払い出しは頻繁に起こっています。
もちろんベット金額が高いということも込みですが、$10,000越えのBIG WINはクリップとして多数YouTubeへ投稿されています。

それも今現在で比べると、2,400枚で強制終了だもんな。
6号機で万枚も何件か報告されてるけど、それもメチャクチャレアなケースだし。

RTP(還元率)が低くてもカジノスロが遊ばれる理由が、まさにこれね。
十円玉一枚が数十万円に化ける可能性は、パチスロには無いのだから。
ここではプログレッシブジャックポット機を省いて解説していますが、仮にそれらも含めるなら、カジノスロットの一撃最高獲得枚数は1億円以上ということになります。
パチスロで数千万円以上を稼いだプロも居なくはないのですが、誰しもが膨大な時間と労力を割いています。
対してカジノでは、ワンクリックするだけで等しくその可能性が与えられるのです。
カジノスロット実際にプレイしてみた
上記は私の実践動画で、Lil Devilという機種で一撃6440倍のBIG WINを果たしたものです。
最終的な払い出しは約$1,900と、およそ万枚に匹敵する金額を数分間で吐き出しました。
この時のベット額は$0.3なので、パチスロ換算するとレートは10スロ。
10スロでワンボーナス=万枚を狙える機種なんて、存在しないのは周知ですよね。
さらに言うとこの機種の天井はまだまだ高く、50,000倍越えの超配当も狙えるのが実情です。

実際、Lil Devilだと、まだまだ中程度の大当たりだねこれは。

別の機種だと1スピンで5,000倍も出るものがあるので、時間効率は段違い。
一方パチスロは、有利区間完走で2,400枚しか吐けないという……
疲労度対決


まぁどう考えてもオンカジの圧勝だよな。
狭いパチ屋でちっこい椅子に長時間座るとか、よく考えたら拷問レベル。

タバコに爆音、ビカビカの光線にガラの悪い客。
なにかもはや、一種の修行をしに行っているような感覚ね。
一時期の『鉄火場』と呼ばれた頃よりも、だいぶパチンコ屋の室内環境は改善されました。
しかし今なお鼓膜や網膜、または腰や背中へのダメージは続いており、人体に決してやさしいレジャー施設とは呼べません。
対してオンラインカジノならば、快適なリビングや寝室、電車の移動中や仕事の休憩中など、時と場所を選ばずにプレイが可能です。
さらにこれらが、24時間いつでもアクセスできるのですから、ロケーション対決では、どう考えてもオンラインカジノの圧勝でしょう。
楽しさ対決

純粋な『楽しさ』で比較すると、パチスロに分があるでしょう。
カジノスロの大半はスピンボタンを押すだけ。あとは見守るしかなく、そこにプレイヤーが介入する余地はありません。
一部ではダブルアップチャレンジや、選択制のボーナスも存在するものの、それらもやはり楽しさとは少し異なるものでしょう。
一方のパチスロですが、ゲーム性が高く、プレイヤーがまさに「プレイしている」と感じられる瞬間は多いですね。
目押しによるビタ止まり・4コマ滑り・変則押しの出目・CZやAT中の強小役……

たしかにAタイプの出目の面白さは、カジノスロでは及ぶべくもなく。
周期ゲーム数や天井なんかも、エンタメ感を増しているとは思う。

とはいえ昨今は、介入要素のほぼ皆無な機種も多いけどね。
完全フリー打ちでオッケーなら、カジノスロを打てばいいのに。と思うわ。
カジノスロの楽しさとは、『射幸心』に基づいたものが大半です。
対するパチスロでは、ゲームとしての楽しさを保ったものが多いです。
ですがカジノスロも、それはそれで慣れると面白いんですけどね。
パチスロの未来は先細り

現時点でホールの看板機種かつ、もっとも払い出しにポテンシャルを秘めているのは『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』でしょう。
この機械は5.0号機と呼ばれる旧基準機であるため、撤去までもう間近。
次点で最高機械割は『押忍!番長3』の119.3%です。
しかし純増枚数2.0枚/Gであるため、爆発力には更に欠け、時間当たりの吐き出せる枚数も減となってしまいます。
更にこうした機械が検定切れしたのちにホールに残るのは、設定6でもペイアウトがせいぜい112%の機種ばかりです。
+αで、有利区間による2,400枚規制がのしかかります。
パチスロのファンや業界の人間は、「これまでも常に苦境はあったが、どうにかなってきた……」と楽観的な見解を示しているものの、俯瞰でこれらを統括すれば、明らかに破滅していく未来しか見えません。

メーカーが見切りをつけて新台を販売しなくなるのも近いかな。

実際のところ、ユニバーサルはとっくに国内販売には見切りをつけているの。
メインは海外カジノ向けの高級スロットで、日本のパチ屋はあくまでオマケ程度。

確かに、一時期から明らかな手抜き台しかリリースしなくなったもんな。

上記はパチンコ業界全体のマーケット図。
よくニュースで耳にするでしょうが、パチンコ産業は減少傾向で、遊戯人口も年々減りつつあります。
ただし各企業は全体の売り上げが少ないなかでも同等以上の粗利を出そうと画策するため、結論で言うと、『ユーザーひとりあたりから、より一層搾り取る』しか生き残る道がないのです。

あっ……(察し)

パチンコ業界はオワコン。
今はまだ積み上げた遺産でキャッシュフローが成り立っているけれど、いずれ消滅する未来を辿るでしょうね。

これはアレだな。
入金ボーナスとか、キャッシュバックシステムをやってみるのはどうよ?
パチンコ業界さん!

逆に客単価を上げるために、ペイアウトを落として交換率を下げる方向へ行くんじゃない?
拡大し続けるオンラインカジノのマーケット
ドイツの信頼あるオンラインポータル『Statista』から入手した下記のデータによると、オンラインカジノのマーケットがどういった成長を描いているかが一目瞭然です。

ご覧のように、2020年には60億ドルを達成。10年間で3倍もの市場拡大を果たしています。
これはコロナ禍の不況である現在でも変わることなく、むしろ在宅推奨の観点から、急速に加速したとされています。
これにはオンラインカジノ側が素早くモバイル対応したことと、スマートフォン市場の拡大が相乗効果を果たしたと見られます。

今後の見通しとしてもますますオンラインカジノ市場は盛り上がると見られているの。
2027年ごろには、100億ドルを突破するとの見通しもあるわ。

市場規模としてはパチンコよりぜんぜん小さいけど、右肩上がりの成長図は期待感を持たせるよな。
業界全体が成長しているからこそ、入金不要でボーナスを配ったり、手厚いキャッシュバックに踏み切れるのです。
パチンコ屋では絶対に実現できないキャンペーンを、オンラインカジノではほぼ無規制でガンガン開催可能です。
プレイヤーにとっての『嬉しい・楽しい・ありがたい』を追求したこれらは、より多くのユーザーを呼び込み、またさらに業界が潤うこととなります。

現状、オンカジ界隈はバブル状態だな。
新規開拓の余地がまだまだあるから、当分は右肩上がりを伸ばし続けるだろうね。

余剰資金が増えれば増えるほど、我々に還ってくるリターンも大きくなる。
リターンが大きいと人が集まり、以下ループね。
まとめ

まぁパチンコ業界全体がオワコンなのは、プレイヤーも業界人も全員が気付いているよな。

業界は生き残り策を見出そうとしているけれど、ユーザーがそれに付き合う必要はないわね。
さっさと新しい受け皿に移ってしまうことが賢いと思うの。

古き良きパチスロ爆裂機を彷彿とさせる、激荒爆発機種をまとめたページも参考にしてみて。

カジノスロの中にも、ペイアウトが高い機種は存在しているぜ。
ランキング形式でまとめてあるから、この記事もみてくれよな。