オンラインカジノのスロットではほぼどの機種も、RTPという数値の表記がされていることにお気づきでしょうか?
日本語に置き換えると、”還元率”や”機械割”とよばれるものに部類します。
これは読んで字の通り、プレイヤーへのリターンを指すこの言葉。
しかし実際にはこの数値通りにゲームが進行することは稀で、中には「RTPなんて気にしても意味ないジャン」という方も居るようです。
そこで今回は、RTP(機械割/還元率)についての知識をおさらい。
正しい心構えで挑むことで、有利な条件をつかみ取っていきましょう!
RTP/機械割/還元率とは?

RTP(機械割/還元率)を簡潔に解説すると、投資金額に対する払い戻し率を指す言葉です。
- 例:RTP98.0% x $100 = $98
基本的に100%を超えるとプレイヤーが勝つ傾向にあり、逆にそれ未満だと胴元側が勝つようにデザインされているのが特徴。
ただしご存知のようにギャンブルにはブレが存在しており、勝つ日もあれば負ける日もあります。
これには理論値という概念の理解が必要です。

ギャンブル中の収支は、最初は大きな波のグラフとして描かれ、やがて徐々に指定されたRTP(=理論値)付近へと収束していきます。
よって試行回数の少ない序盤ほど、設定されたRTPからは大きくかけ離れる傾向にあります。
胴元が有利なギャンブルで勝つということの真髄は、この上ブレでうまくヤメることにあります。
しかし『方向性』は所定のRTPへ向かう力が働くため、100%を切るゲームでは、いずれはプレイヤーに不利となる点は覚えておいてください。
ではこのRTPが理論値に到達するには、果たしてどれだけの試行回数が必要なのか?
以下では、その疑問について深掘りしていきましょう。
RTP収束は個人と全体のどちらで考えるべきか?

RTPについての考え方は多々存在しており、大別すると以下のようなものとなります。
- 個人の1プレイごとへの払い戻し平均値
- 個人の数千~数万プレイ時の払い戻し平均値
- 当該機種プレイヤー全体への払い戻し平均値
実はこれら、どれも誤りではありません。
1スピンごとの払い戻し率も、数千スピンの平均値も、またはプレイヤー全体の払い戻し金額もすべて同じRTPに基づいているのです。

でもさ、1ドルベットで配当なしだったら、RTPはゼロ%じゃん?
それに数千スピンしても収支はバラバラだし、プレイヤー間でも異なるでしょ?

部分的に見るとそうなるけど、乗っているレールは同じ。
ただし切り取った数値が参考になるかどうかは、またちょっと話が違ってくるのよね。
上記の例で言うと、1.のパターンはもっとも確率のブレが大きく、ほぼ参考にはならない数値です。
2.ではよりサンプル数が多くなるものの、一日の収支は大きく勝つことも負けることもあります。
よって信頼度は高まるものの、まだ理論値には遠い場合もあるでしょう。
そして3.のパターンはイコールで、『カジノがプレイヤーに払い戻す金額』を示します。
ここまでサンプル数が多くなると、かなり信頼度は高くなっていくでしょう。
つまりRTPは本来プレイヤーに向けた期待値というよりは、それを提供する胴元側に向けた概算値と捉える方がより有用ということになります。

試行回数が膨大であるほど、より理論値に近付くことになる。
だからRTPから最大の恩恵を受け取れるのは、ゲーム提供者であるカジノになるわね。

とは言っても、プレイヤーにもある程度の収束は訪れるんだよね?
目安としてはどれぐらいなの?
RTPの収束までにかかる試行回数の目安はプレイするゲームによって異なり、それにはボラティリティが密接に関係しています。
ボラティリティによる収束のブレ

ギャンブルにはそれぞれ『ボラティリティ』と呼ばれる、収支の波の荒さを示す指標が存在しています。
特にスロットゲームではこれが飛び抜けて高いモノが存在しており、イントロなどで注意喚起を行っています。
これは元々株価/為替相場の価格変動を表す用語で、「ボラティリティが高い」「ハイボラ」と呼ぶと、価格の波が乱高下していることを指します。
転じてカジノギャンブル(特にスロット)では、”収支の波の荒さ“をボラティリティと表現することになりました。

ボラティリティが高いほど、先に示した収支の波はより大きな曲線を描くことになる。
よって収束までにかかる試行回数もより多くなっていくわ。

それじゃ、低ボラティリティの機種はどうなの?
例として日本のパチスロのノーマルタイプ(5号機以降)を挙げてみましょう。
現行ノーマルタイプは、一般的なカジノスロットの低ボラティリティ機種と比べて更に数十倍はボラティリティが低いと言えます。(ボーナス最高払い出しが300枚しかないため)
これらノーマル機の機械割が収束するには、およそ数十万ゲームの試行回数が求められると言われています。
よってそれ以上にボラティリティの高いカジノスロットでは、それ以上のプレイ数を個人では必要とする可能性が高いです。

最近ではハイボラ機種が多いから、収束までに要するプレイ数は相当多いっぽいよね…。

ちなみにボラティリティ最強のギャンブルは宝くじ。
なぜかと言えば、大半の人は一生当たらないから。
ここで注意点は、カジノゲームに限って言えば、RTPは収束しない方がプレイヤーに有利であるという面です。
なぜならカジノで遊べる機種はすべてRTP100%未満であるため、収束すれば必ず敗北してしまうから。
つまりイコールで、プレイ時間/回数が短いほど好ましいことになります。
RTP低くても良いゲームはあるのか?

ボラティリティとの引き合いで、稀に「RTPが高いほど良いゲームとは限らない」という主張をする方が居ます。
例:宝くじは当たれば億万長者、ジャックポット機には夢がある等々……
確かに還元の少ないギャンブルでは、相対的に当たった時のリターンが多い傾向もあります。
とはいえすべてのゲームがそうした性質を持つことはなく、単にプレイヤーが不利な条件を被っているだけのパターンも多々存在します。

たとえばプログレッシブジャックポット機でもっとも有名な機種、メガムーラはどうでしょう?
RTPは88.12%と、カジノスロットの中でも特段に低い値となっています。
本機種はMEGA JACKPOTで数十億円の払い出し実績もあり、まさしく一撃で強烈なBIG WINの定番機種でしょう。
ところが本機種、一撃が強烈であるにも関わらず、なんとボラティリティは『ミドル』とのこと。
これはつまり、「ジャックポットが本当にごく稀にしか出現しない」ことを示しています。
滅多に出ない=収支にほぼ影響しない ➡ 上ブレはほぼ見込めない
オンラインカジノによってはこの機械を全面的にプッシュしているようですが、それはすなわち、
「カジノにとってメチャクチャ美味しい回収機」であるということ。
この機種に対して、”RTPが低くても良いゲーム“であるとは、ちょっと言えないのが実情ですね。
ちなみに高RTPのプログレッシブジャックポット機はたくさんあります。
現在カジノスロットの平均的なRTPは96.0%となっており、ハッキリ言ってその基準を大きく下回る機種は、まず話題にも上がらないのが現実です。
またその水準のRTPでもかなり強烈なボラティリティを有している機種は存在しているので、わざわざ低いRTPの機種を選択する意味はほぼありませんね。
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確率は本当に収束するのか?

ギャンブルにおける確率の収束には、必ずと言っていいほど大数の法則が絡んできます。
ざっくり分かりやすく言えば、「サンプル数を増やすほど、理論値どおりの確率に近付くよね」という考え方になります。
とはいえこれらは目に見える確かな物質でなく、あくまで思考の果てにある、いわば机上論であるとも言えます。
よって世の中には、「確率は収束しない」「抽選は完全確率(※)だから次の結果に影響しない」と考える方も多いです。
※完全確率という概念はパチンコ用の造語です。
しかしコンピュータによる膨大な試行回数の演算によると、やはり確率は徐々に理論値付近へと収束します。
ここへ働く見えない軌道修正の力は、『神の領域』と呼ばれる、人知の及びつかないエリア。
なぜ理論値へ近付くのかは定かではないものの、やはりRTPはいずれ理論値へ向かうものなのです。

繰り返すと、”個人の数万プレイ”ごときでは収束は訪れない。
ただし『方向性』は同一であるために、その影響は必ず受けているの。
実際にはどれぐらいブレるのか?
ビットカジノではライブRTPという、24時間/週間/月間の還元率の統計をゲームごとに公開しています。
このランキングを見ることで、つまりはプレイヤー全体がカジノ側に対してどれだけの払い出しを受けられているかが分かることになります。
ご覧のように上ブレの最高値はなんとRTP389.73%と、とんでもない割を叩き出しています。
これとは逆に下ブレのランキングでは、RTP20%台も珍しくありません。
しかもこれは月間ランキングなので、ある程度の分母数は取れているのにこのブレです。
基本的にスロットの確率収束には、テーブルゲームよりも更に膨大な数の試行回数が関わることを覚悟すべきでしょう。
ただし矛盾するようですが、「低RTP機種でもいいか」と開き直るのは、それもそれで損ということだけは忘れないでください。
まとめ:RTPが高いほど良いゲームである事実は変わらない
ボラティリティによる乱高下はあるものの、基本的にRTPが高水準のゲームを選ぶことがプレイヤーの有利に繋がる事実は覆せません。
以下では高RTPのスロット機種をまとめているので、参考までご覧ください。
ただしオンラインカジノは段階的にスロットの設定を変更可能であるため、実質的なRTPを確認することは怠らないでください!